関西初の起業家シェアハウス誕生
シェアハウスとは、プライベートな空間は個室のみで、リビングやキッチン、浴室、トイレなどの空間は住人同士の共有スペースという、新しい形の賃貸住宅です。都会の若い世代を中心に、家賃が安価に抑えられることや、住人同士の交流が魅力となって、ジワジワと浸透し始めています。その中でも、「コンセプト型シェアハウス」という、一定のコンセプトを持った人たちをターゲットにしたシェアハウスが、注目されています。例えば、シングルマザーたちが仕事と子育てを両立するためのシェアハウス、共有スペースでは英語のみという英語習得のための英語漬けシェアハウス、東大合格のためのシェアハウスなんていうのまで…。そして、向日市に誕生したのは、起業家のためのシェアハウス「Fespa京都(フェスパ京都)」です。関西では初の試みです。事業主である(株)リヴの波夛野賢(はたのさとし)社長は、この事業への思いを、「地元乙訓地域から、若者たちが成長し、羽ばたける環境を創りたかった。そして、もうひとつ、中古物件を再生する新しい不動産活用の提案でもあります」と語ってくれました。
シェアするのは?
最寄駅からは、登り坂をちょっとがんばって歩かなければいけません。利便性に難ありともいえますが、その分、駅前の喧騒から解放され、眼下に向日市の街並みが広がる開放感のある景観が魅力です。そして、建物は、築40年の元社員寮を1億円近くかけてリノベーションしたもの。これがなかなか素敵です。コンクリート現しの壁に電気配線をむき出しにするなどクールな空気感を出しながら、ナチュラルテイストな木材も要所要所に使われており、このバランスが絶妙。1階の部屋は、広い掃出し窓が外のデッキとつながっており、間取り以上の開放感でした。
そして、コンセプト型シェアハウスですから、一番の魅力は、広い共用ラウンジ。ここでは、起業家向けの定期的な勉強会や交流パーティーなどが開催され、住人同士の交流だけでなく、起業家を育てるためのノウハウを提供してくれる一歩先行く起業家や支援者が講師役になってくれます。
「起業家シェアハウスでシェアできるものは、アイデア、人脈、情報、そして、可能性」そう語るのは、ここを管理する彩ファクトリーの代表取締役・内野匡裕(うちのまさひろ)さん。彼自身、コンセプト型シェアハウスの運営というチャレンジャーな起業家ですから、起業した人、起業準備中の人、さらには、起業を志す人…を支えたいという思いには熱いものがあります。
プライスレスな価値がある
家賃は、月56000円から96000円。共益費が月2万円。これには、光熱費、インターネット、共用ラウンジ使用料、セミナー費用なども含まれていますが、けっして「安い」というわけではありません。ただ、入居の初期費用が5万円で済み、敷金・礼金といったまとまったお金を用意しにくい起業家にとっては、安価に事務所を持てるというのが大きなメリット。そして、何より、志を持つ者同士が集住し、夜な夜な夢を語り合えるなんて、これはプライスレスであることに間違いありません。向日市から、ビル・ゲイツやマーク・ザッカーバーグが誕生するかもしれませんね!